センターのいちおし
陰翳礼讃 (中公文庫)
2012.07.23
タイトル 陰翳礼讃 (中公文庫)
編著者名 谷崎潤一郎著
出版社 中央公論社
出版年 1995
内容と紹介 区分:和図書/ID:000098656/所在:文庫・新書/請求記号:914.6/TJ

近代日本文学を代表する作家のひとりである谷崎潤一郎の随筆。武蔵野美術大学教授・原研哉著『デザインのデザイン』でも「デザインの花伝書である」と紹介されている古典的名著です。

日本古来のモノの形は、明るい電灯の照明ではなく、火によるほの暗い照明のもとでできる陰翳を計算して作られているという視点から、照明、建築、紙、食器、食べ物、能や歌舞伎の衣装、化粧といったモノと陰翳の関係についての考察が続きます。また、「なるべく光を取り込み、照らし、影を消すことを基本としている」西洋と、「陰翳のうちに美を発見し、やがては美の目的に添うように陰翳を利用するに至った」日本とを対比させながら、徐々に深まっていく考察は、読んでいてとてもスリリングです。

昔ながらの囲炉裏での食事風景、漆塗りの飯櫃、書院造の寺院の佇まい、茶室の趣、薪能の風景等々…漠然として言語化が難しく認識しづらい日本の美的感覚が、谷崎氏の巧みな筆致で描き出されていくさまは、これぞ日本の様式美と思わずうなってしまうほどです。
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