センターのいちおし
わんぱく時代 (講談社文芸文庫:[さ-E7])
2010.11.04
タイトル わんぱく時代 (講談社文芸文庫:[さ-E7])
編著者名 佐藤春夫著
出版社 講談社
出版年 2010
内容と紹介 区分:和図書/ID:100128674/所在:文庫新書/請求記号:913.6/SH

佐藤春夫はこの作品を発表する前に、下記のように書いたそうだ。

これは自叙伝的内容を持った虚構談である。この編の目的とする
ところは、わが少年時代とわが少年期を過したふるさとの町と、
その時代とを根も葉もあるうそ八百で表現したいので、ところど
ころに事実談があるからと云って、全部を真にうけてもらっては
困る。さればとて決してでたらめというのでもない。作者は虚実
相反したところに虚々実々の文芸の真趣を求めて、ひょうたん
からこまを出すのを読み取ってもらえたらうれしい。
ひょうたんはからくりである。しかし駒は、本当に汗血千里を
行くものでありたい。
本文p343単行本あとがきより

うそかまことか分からないところが、小説の醍醐味だろう。
この「わんぱく時代」を読んで、
「なるほど佐藤春夫はこんな少年時代を過したのか。文豪であっても少年の頃はそんなに変わっていないのだな」などど感じると非常に面白い。
和歌山県に育った「僕」の戦争ごっこも淡い初恋も、
自分の体験ではないのにどこか懐かしい。

無邪気であっても真剣な少年時代からどんどんと成長する姿を描いたこの物語は、ぜひ読んで欲しい一冊である。
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