センターのいちおし
夜露死苦現代詩
2010.08.27
タイトル 夜露死苦現代詩
編著者名 都築響一著
出版社 新潮社
出版年 2006
内容と紹介 区分:和図書/ID:100107588/所在:普通書架/請求記号:911.5/T

神社に参拝したとき、奉納された絵馬の前でつい足を止めてしまうことがあります。

そこに書かれている願い事は、「家族全員健康」といった王道系から、「アイス食べたい」といった刹那的なものまで実にさまざま。絵馬に託された十人十色の欲望の妙なリアルさと、日付が書き記されてあることによるライヴ感に、目が離せなくなるのは私だけではないはずです。

本書の著者である写真家・編集者の都築響一氏は、こういった市井の人々による無意識の産物を多様な切り口で作品化し続けてきた人物です。

暴走族によって殴り書きされた「夜露死苦」というフレーズを「なんてシャープな四文字言葉」と絶賛する都築氏が本書で紹介するのは、アダルトメールや老人のつぶやき、死刑囚の辞世の句といった、いわゆる詩とは無縁のものばかり。

あの手この手で読み手に媚まくるアダルトメールも都築氏が見立てると「肉筆のアクション・ライティング」と評されてしまうわけで、無名の人々が吐き出す言葉にこんなにも迫力があるものかと、感嘆させられます。

ネットでの馴れ合いの書き込みにマンネリ感を覚えている方、是非この本を手にとってみてください。直球勝負の言葉に打ちひしがれること間違いなしです。


※文庫版も所蔵あり。
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