センターのいちおし
父・山之口貘 新版
2015.05.19
タイトル 父・山之口貘 新版
編著者名 山之口泉著
出版社 思潮社
出版年 2010.12
内容と紹介 山之口獏という詩人をご存じでしょうか。フォークシンガーの高田渡が曲をつけた『生活の柄』という歌をどこかで耳にしたことがあるかもしれませんね。1903年(明治36年)に沖縄で生まれ、1963年(昭和38年)に胃がんで亡くなる59歳まで、生涯に書いた詩は197編。4冊の詩集を出しましたが、詩人としてはとても寡作といえるでしょう。
学生時代に、上京してからお金に苦労しなかった時期はほとんどなかったと言っていいほど貧乏を体験、ビルや公園に寝泊まりしたり、友人の家に間借りをし、職を転々とし、借金をしながら詩を書く日々。しかし、そんな生活を赤裸々に綴った言葉は、悲惨と言うよりも悠々とした気骨や温かなユーモアにあふれています。一編の詩を推敲するのに長編小説ほどの量の原稿用紙を使い長い時間をかけ徹底的に練り上げていく、そんな獏さんを支え(お金を貸し)た仲間たちに「精神の貴族」と呼ばれました。その詩と人柄は今もたくさんのファンに愛されています。
獏さんには妻と一人娘がいます。これは獏さんに「ミミコ」と呼ばれ溺愛された娘さんが、父・山之口獏の日々の暮らしや思い出を綴った一冊です。けっして貧乏を容認せず、ずっとお金の苦労を嘆き、愚痴り続け、それでも最期まで父に寄り添った母の姿、詩作にはとことん完璧主義で「変わりもん」と言われながらも飄々と生き、周りの人々に愛された父の姿が、日々を共にした家族ならではの視点で淡々と愛情深く綴られています。

当センターにも獏さんの詩集は所蔵されています。
定本山之口貘詩集.(原書房.)〔911.56/YB〕
山之口貘詩集.(現代詩文庫:1029 思潮社)〔911.5/GE/1029〕
山之口貘詩文集. (講談社文芸文庫).〔文庫・新書 911.56/Y〕
また、獏さんの直筆原稿は沖縄県立図書館ホームページ「貴重資料デジタル書庫」にてオンラインで
見ることもできます。 http://archive.library.pref.okinawa.jp/
ぜひ併せて読んでみてください。
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