センターのいちおし
スプーン : 超能力者の日常と憂鬱
2014.01.11
タイトル スプーン : 超能力者の日常と憂鬱
編著者名 森達也著
出版社 飛鳥新社
出版年 2001
内容と紹介 本書は、超能力者を職業にしている人々の私生活に密着するドキュメンタリー番組を企画・制作した著者・森 達也氏の記録です。
超能力者としてメディアに顔と名前を晒した途端、世間は両極端な反応を彼らに示し、生活は否が応にも一変。
その影響は本人だけにとどまらず、親や親戚にまで及びます。
それでも、生活の糧を超能力から得るべく、メディアに露出し続けるのは一体何故なのか。
森氏は自身の純粋な疑問を容赦なくターゲットにぶつけます。

映される者に「撮られている」という意識がある限り、それは森氏の求める自分が撮りたい「ありのままの姿」ではありません。
時には敢えて、相手の素を引き出すために刺激的な質問や、神経を逆なでするような際どい問いかけを投げかけます。
気色ばんだり、肩を落としたり、泣きだしたり。返って来る反応は様々です。
また、長時間生活を共にするあまり、友情にも似た信頼関係が双方の間に生まれてしまい、しばしば、ドキュメンタリー映像撮影者としての立場を忘れ、森氏が声を荒げることも。

「ドキュメンタリー」とは映像記録媒体で撮影された記録映像作品を指す言葉です。
一般的に制作者の意図や主観を含まないことがドキュメンタリーの前提ですが、果たして、意図や主観というものは100%排除出来るのでしょうか。
感情と行動は切っても切り離せない関係にあります。
物事を客観的に見る難しさ。中立の立場で物事を考える難しさ。
編集され、番組として放送される映像だけではなく、その映像を撮影した人の感情に触れることで、より一層、作品のドキュメンタリー性は増すのではないでしょうか。
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