センターのいちおし
リハビリの夜
2013.08.02
タイトル リハビリの夜
編著者名 熊谷晋一郎著
出版社 医学書院
出版年 2009
内容と紹介 大学生になって一番うれしかったのは、体育の授業がなくなったことかもしれません。運動自体は嫌いではないのですが、強制的な運動が嫌いでした。それほど嫌いだったにもかかわらず、大学を卒業して何年もたつうちに、体力の衰えとともに運動の重要性に気付き、最近自主的に走り始めました。
獲物を追っかけて1日中走っていた祖先のせいで「我々の体は走るようプログラムされている」のは事実らしく、最近すこぶる好調です。また、走れば走るほど伸びていく記録の後押しもあり、この習慣はけっこう長く続きそうです。

体は運動だろうが何だろうが、繰り返す行為を学習してくれます。しかしもし体が学習しなかったら? まったくいうことを聞いてくれなかったら?

本書の著者は脳性まひです。体は意識のコントロール下になく、コップをとって水を飲むという行為すらままなりません。しかし東大理科3類(医学部)への入学を可能にした頭脳は、幼い頃から経験してきたリハビリの歴史を振り返りながら、ままならない自分の体を精緻に分析していきます。ひとりの人間の内面で繰り広げられる理性と本能の相克はすさまじく、得られる知見はどれもかつてない面白さにあふれています。

内容の凄まじさから、読了後なんともいえない気分になるかもしれませんが、それこそ読書の醍醐味ではないでしょうか。是非ご一読ください。
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