センターのいちおし
のこされた動物たち : 福島第一原発20キロ圏内の記録
2013.06.20
タイトル のこされた動物たち : 福島第一原発20キロ圏内の記録
編著者名 太田康介
出版社 飛鳥新社
出版年 2011
内容と紹介 区分:和図書/ID:100139469/所在:普通書架/請求記号:740.21/OK

今から8年ほど前のこと。日参していたペット画像掲示板に2匹の猫とらちゃん・まるちゃんの画像が投稿されました。二匹仲良く段ボール箱から顔を覗かせたりガラス瓶にすっぽり嵌り込んだりするその可愛らしさに悩殺されるとともに、画像につけられたほのぼのと穏やかで優しい文章に投稿主で飼い主さんのもうーすさんのファンになりました。もうーすさんはプロの写真家さんだそうで、そう言われれば画像も納得のクオリティでした。

猫画像と文章を愉しむ平和でやわらかな時間が過ぎ、やがて2011年3月11日、あの震災の日がやってきました。件の掲示板でも安否を問う投稿が交わされ、とらまるちゃんやもうーすさんは大丈夫かなと思っていた4月20日、とらまるスレにもうーすさんが一枚の画像が投稿しました。福島原発20キロ圏内で撮影された、道路を横切る一匹の白猫の画像。もうーすさんは矢も楯も堪らず、我が身の危険も顧みず被災地に取り残された動物たちの救助に向かっていたのです。以来、もうーすさんはボランティアさんたちと共に動物たちの救助にあたりつつ、自身のブログや写真展で被災地の動物たちの状況を発信し続けています。

そこで伝えられる福島原発20キロ圏内に置き去りにされた動物たちの状況は過酷なものでした。
大地震に続く津波、原発事故。それは人が生きていくだけでも大変な状況です。ほんの数日のことと思われた避難がこんなにも長く続くことになろうとは飼い主さんたちにも予想外の出来事だったはずです。仕方ない。仕方なかったんだ…でも、動物たちはあの日からずっと封鎖された場所で食料もないまま飼い主さんを待ち続けていて。
犬小屋に鎖で繋がれたまま餓死した犬。厩舎で餓死した牛や豚や馬。喉の渇きに耐えかねて用水に嵌ってしまい死を待つしかない牛たち。あばら骨が浮いて見えるほど痩せた犬や猫たち。
やるせない、悲しすぎる、できれば見たくない、でも直視しなければいけない現実がそこにありました。

この本はもうーすさんこと太田康介さんが福島第一原発20km圏内で見てきた動物たちの状況とその後をまとめたものです。
状況は現在進行形で続いています。本を見るだけでは何にもならないのではないか。知るだけでは何も救えないのではないか。そういうジレンマは常に付きまといます。が、そんな時にはもうーすさんが4月20日に白猫画像に添えた言葉を思い出します。
「どんな方法でもいいのです 関心をもってあげるだけでもいいと思っています
どうかどうか 皆さんの力で 彼らを救ってあげて欲しいです」
知ることはいつか現実の力になると信じたい。だから、私はこの本を開きます。
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